皆さん、こんにちは。
国指定名勝・立花氏庭園(柳川藩主立花邸 御花)に根付く緑は、春に向かい装いを改めようとしているのでしょうか。
燃え滾っていた紅葉はいよいよ枯れ落ち、その他落葉樹も同調するかのように葉を震わせています。
2023年大晦日。
「お宮の周りを掃除しましょう」
庭園内を清めようと、仲間からの声がけ。
つい先日まで目を奪われていた紅葉はすっかり地面に堆積し、使命を全うしたとでも言わんばかりに赤い絨毯を成していました。
付け添えておくと、弊社の事業特性上、年末年始は書き入れ時。
大晦日とは言え、鼻息荒いメンバーが数多く出社しているのです。
祠
立花氏庭園内には二つのお宮があります。
ひとつは先祖を祀る三柱神社の分祠、もうひとつは伊勢神宮と出雲大社を同居させた分祠。
つまり、ここ立花氏庭園には、天照大神、大国主大神、戸次道雪、立花宗茂、誾千代、5体の御霊が祀られているのです。
【三柱神社】
三柱神社分祠(戸次道雪、立花宗茂、誾千代を祀る)
伊勢神宮・出雲大社分祠(天照大神、大国主大神を祀る)
今回手を入れたのは、宿泊・観光ゲストに目につく伊勢神宮・出雲大社分祠の周辺です。
つい二週間程前まで烈火の如く咲き誇っていた紅葉。
ですが、わずか数日で様変わりしてしまいました。
桜同様、散り際は儚くも美しい。
嫌いではありません。
渡り廊下からの構図は何とも雅。
仲間
最初に声をあげてくれたのは、(株)御花のマーケティング担当/金原梨奈。
「お宮の周りを掃除しましょう」
おっちょこちょいはご愛敬。
御花を、文化を、そして人を思いやる気持ちは人一倍。
そして、(一社)SAMURAI REBIRTHの再生プロジェクトに欠かせない、(株)御花の施設管理担当/石橋省吾。
控え目な性格ではありますが、自身の担いを粛々とこなす職人肌。
先代の管理者から仕事を引き継いだばかりですが、立花氏庭園の非日常な世界観は、彼の黒子作業によって保たれています。
続くは、(株)御花のクレンリネスリーダー/金子倫宏。
クレンリネスとは、衛生環境、非日常的景観、5Sなどの領域。
基本的にはサービスチームに属しますが、まちづくりや官民連携パートでも立ち回るオールラウンダーです。
最後に、(株)御花の庭園レセプション担当/沼崎圭意子。
ゲスト目線での提案型アテンドには定評あり。
多くの観光客を相手に、庭園の魅力、御花の歴史を未来に紡ぐ伝道師です。
作業に不可欠なもの。
それは竹箒と熊手。
そしてブロワーです。
ブロワーとは、対象物を掃き散らす扇風機のようなもの。
対象物が入り組んだ場所にある際、またそれが広範囲である際に効力を発揮します。
一家に一台とでも言いましょう。
文化財オーナーには欠かせない文明の力。
成果
果たして大量。
8袋分(45Lビニール)の紅葉の回収に成功しました。
堆肥には回せないので、紅葉を装飾にしたアート作品でも創れたら良いね、などとブレスト。
適当な活用法が見いだせなくても良いのです。
同じ焼却をするにも、数日寝かせておいて完全に乾ききった状況で焼却するのとそうでないのとでは、焼却炉の燃焼効率に影響します。
(このようなちょっとした配慮は、産廃業者さんがものすごく喜んでくれます)
今回、私たちは後者を選択しました。
微々たることではありますが、自然にやさしく地域にもやさしい、そんな活動を(株)御花では行っています。
課題をあげるならば、いかにこの光景を地域ぐるみのものにできるかどうか。
それは単なるボランティアであってはならないと思うのです。
(ボランティアでも良いのですが持続可能性に欠ける)
その活動にコミットすることでどのようなgainがあるのか、どのようなアウトプットが待ち構えているのか、これらのメリットを可視化言語化することで共感の輪が広がり、苦とすることなく徳の意味を理解してもらえる意義ある活動になるものと考えています。
前述の【畳REBIRTH】のような、背景と目的、そしてゴールが明確なアクションの横展開を図っていくことも、2024年の私たちの課題になりそうです。
聖掃
そして庭園の掃除をすることは、サーキュラーエコノミー(循環経済)にもとづく文化財の保存活用に資する営みに変わりはないのですが、何より自身が、他者が、そして環境そのものが清らかになり、文化的豊かさを得られるメリットがあると考えています。
“聖”とは、非日常的にで冒しがたい宗教的価値を指します。
故の「聖掃(せいそう)」。
国から認められた庭園、多くのゲストが訪れる観光地として、未来永劫けがれなく、清らかで尊い地であり続けられたらと思います。
ソーシャルグッド
SAMURAI REBIRTHのプロジェクトの核論を、一般企業あるいは個人の皆様に落とし込む作業がはじまりました。
只今、立花氏庭園【柳川藩主立花邸 御花/(株)御花】で実装中ではありますが、ありがたいことに本プロジェクトに関心をいただく個人・企業様が徐々に増えつつあります。
単なる作業にとどまらず、活動の本質を従業員の皆様に理解していただき、それが自身にとってどのようなgainとなるのかをフィールドワークを通じて実践していくこともまた、ソーシャルグッドと言えるのではないでしょうか。
では。
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