皆さん、こんにちは。
たまに知財やバイオ研究に関する論文や情報にアプローチしているのですが、ずっと気になっていた研究があります。
惹きのあるキーワードがならび、私にとってはハートを掴まれた気分。
暗闇で光る植物
「太陽やLEDライトなどの光を吸収して暗闇で光る植物」をマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが開発。
その内容とは、
特殊なナノ粒子を埋め込まれた葉は、わずか10秒間のチャージで数分間にわたって明るく光ることが可能なのだそう。
出典元:Ⓒマサチューセッツ工科大学
技術的には、ホタルや深海魚などが保有する発光源/ルシフェリンと、それに作用するルシフェラーゼという酵素を葉に注入したもので、発光に必要なエネルギーは植物自身の代謝で生み出されると言います。
でも、葉が枯れたらどうなるんだろう・・・
そんな野暮なセリフは必要ありません。
何とも夢のある研究記事を拝見し、私なりに空想が広がりました。
自ら葉を光らせ、暗闇を照らす植物が存在するなら、文字通り明るい世の中になりはしないか?
大袈裟で極端な表現を好む私ですが、まだ見ぬ可能性と遊び心を秘めたトピックであると感じたのです。
環境課題
話を自社環境に移しましょう。
私が一日の大半を過ごすのは「柳川藩主立花邸 御花」であることは繰り返しお話ししている通りです。
そこは堀に囲まれた約7,000坪の国指定名勝地なのですが、全敷地のおよそ40%に何かしらの植物が植えられ、自然豊かな環境を形成しています。
特に江戸時代の面影を残す東庭園(過去投稿をご覧ください)は、藤や菖蒲、色とりどりの花が咲き乱れ、シラサギやカメ、ウシガエルなどが生息(11月から2月は鴨が飛来)、小さな動植物園のようでもあります。
当然のことながら、その環境さえも私たち法人で管理しなければならないのですが、宿という傘のもとに商いをしているため、日々料理をこしらえ、清掃を欠かさず、ゲストをお迎えし、様々なサービスを提供する・・・
この繰り返しのため、お恥ずかしながら庭園の管理がおざなりになりがち。
しかし、シルバーさんのお力添えによって、何とか現状を維持することができています。
私たちの想いとしては、もっとゲストに楽しんでいただくことはでないか、庭園の価値を底上げできないか、今はあるべき姿に向かう途上でもあり、文化財の保存活用の観点からブレークスルーしなければならない課題を抱えています。
「柳川藩主立花邸 御花」は、旧大名藩主の末裔が今もなお運営している宿として、歴史・伝統芸能に特化したプログラム、どんこ舟を利用した食体験などを軸にブランディングしており、大名庭園を物語る非日常要素をちりばめたサービスを提供しています。
さらなる強化を、と考えているのが夜の魅力開発です。
(なぜ夜の魅力を開発する必要があるのか、これは従前より柳川が通過型の観光都市であり、宿泊型あるいはデスティネーションとしての観光都市へ進化する必要があるためです)
魅力創出
「暗闇で光る植物」がこの課題の解決要素になりはしないだろうか。
私の空想はこのようなものです。
庭園内の小径を「暗闇で光る植物」によって演出し、宿泊ゲストが思わず歩きたくなるような世界観をつくる
庭園周辺の遊歩道を「暗闇で光る植物」によって演出し、近隣住民や通りすがりの観光客にも楽しんでいただけるような世界観をつくる
再利用によって生まれたガラス細工に「暗闇で光る植物」を忍ばせ、あらゆる人々の心に灯をともす
このように、意図的に発光植物を育成・配置することで、新たな観光資源としての夜景を創出するという考え(空想)です。
ソーシャルグッド
ある人は「そんな話バカげている」と言うでしょう。
しかし、日々私はこの空想を大切にしています。
大発明やヒット商品は、空想やバカ話から生まれているからです。
空想を大切にすること、そして観光資源創出の可能性のひとつとして植物ナノバイオニクスがあることをメッセ―ジすることもまた、ソーシャルグッドと言えるのではないでしょうか。
では。
植物ナノバイオニクスと大名庭園との融合、たいへん興味深いです。
水のない庭に石や白砂で水面を表現した枯山水は、人の手による自然界の再現であり、時に小宇宙とも称される日本が誇る庭園文化。
植物ナノバイオニクスを活用した庭園は、現代技術による自然界の新たな再構成という可能性を秘めているように感じました。なにより古来の庭園が再現できなかった星空を再現できればまさに小宇宙…空想が膨らみます^^