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執筆者の写真健太郎 立花

SAMURAIプロジェクト始動! その②

皆さん、こんにちは。


前回は「文化財の現状(いま)を知る」というテーマでお話ししました。

そして今回「文化財の未来(あす)を創る」と題し、プロジェクトの概要を公開します。


“文化財の自分事化”とはいかになされるのか。

これは循環経済にもとづく活動のため、再利用可能な資材獲得が起点となるわけですが、

私たちは畳に注目しました。

ご存知の通り、畳はイ草でつくられており、土に還すことのできる優れもの。

昨今、海外の富裕層やホンモノ志向な方から特に注目され、日本文化を象徴する体験価値として、その効能や肌触り・温もりなどを感じとっていただいています。


文化財の自分事化とは

歴史的建造物の構成要素である畳はいづれ廃材となり、しかるべきタイミングであらたな畳が格納されます。

御花の大広間(100畳間)においても同様。

通常であれば畳業者さんにお任せ、となるところですが、文化財に触れられる十分な理由を畳業者さんに取って変えられると考えました。


まずは第一段階として。

御花内ですでに廃材化予定の畳(イ草)があるのですが、それに庭園内に堆積する枯れ葉(落葉広葉樹)、域内でとれる鶏ふん、その他米ぬか、もみ殻、赤土などを混ぜ合わせ、完熟堆肥をつくります。

Made in 文化財の完熟堆肥です。


第二段階として。

その完熟堆肥をイ草生産者さんへ提供し、栽培・収穫、加工工程を経て畳に製品化します。

それを御花の大広間(100畳間)に格納。


第一段階を堆肥フェーズ、第二段階を畳フェーズとし、2年弱の期間をもってひとつの循環を形成します。

文化財に特化しているため、循環規模は限定的ではありますが、一連のプロセスに様々な人々が関わることで、文字通り“文化財をつくる”当事者になっていただけるというわけです。

一口城主ならぬ一口畳主、と言えば分かりやすいかもしれません。


コンポストアドバイザー

プロジェクトの肝となる堆肥づくりについて私は素人・・・

重なるご縁の中で、ひとつの巡り合わせがありました。

堆肥の専門家(コンポストアドバイザー)として各地を巡り、東京で農園を営まれている鴨志田純さんです。


鴨志田 純(かもしだ じゅん)

1986年東京都三鷹市生まれ。コンポストアドバイザー。ネパールや全国各地で、生ごみ堆肥化や有機農業の仕 組みづくり等を実施中。農林水産省、消費者庁、環境省主催「サステナアワード2020」にて、アドバイザーと して関わった黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクトが「環境省環境経済課⾧賞」を受賞。2021年、肥料の 自給性や防災機能性等を高める取り組みとして、自立分散型コンポストシステム構築向けた小規模実証実験 「サーキュラーエコノミー型CSA」を開始し、各方面から注目を集める。同年、循環経済をデザインするグロ ーバル・アワード 「crQlr Awards(サーキュラー・アワード) 」にて、「Agriculture-as-Commons Prize (コモンズとしての農業)」と「Wholesome prize」の2部門を受賞。2022年、「地域」や「地球」の課題解 決に向けて挑戦する生産者を表彰する「ポケマルチャレンジャーアワード2021 ~課題に立ち向かう生産者たち ~」にて、約6600名の生産者の中から年度テーマ「一次産業の現場から、地球を持続可能に」で、最優秀賞を 受賞。元数学教員。防災士。パタゴニアプロセールスプログラム。趣味は、旅(地球一周、自転車日本縦断、 四国遍路等)と読書。 参考記事リンク(2022年3月9日現在有効) この他の記事につきましては、「鴨志田農園」で検索して頂ければと思います。 【IDEAS FOR GOOD(公共コンポストについて)】 https://ideasforgood.jp/2020/09/28/kamoshidajun-yasuiakihiro-circulareconomy-compost/ 【Agri.Tokyo(都市農業について)】 https://agri.tokyo/tokyo-farmars/v-039/ 【ポケットマルシェ(堆肥について)】 https://poke-m.com/stories/1205 【日本経済新聞(サーキュラーエコノミー型CSAについて)】 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH0911S0Z00C21A7000000/ https://www.nikkei.com/article/DGXZQODJ126680S1A110C2000000/ 【crQlr Awards(サーキュラー・アワード)について】 crQlr Awards 受賞プロジェクト63点を発表! | crQlr 【ポケマルチャレンジャーアワード2021 ~課題に立ち向かう生産者たち~について】 課題解決に挑戦する生産者を表彰する「ポケマルチャレンジャーアワード2021」を発表9都府県の生産者が受 賞、年度テーマは「一次産業の現場から、地球を持続可能に」|株式会社ポケットマルシェのプレスリリース (prtimes.jp) 映像: 黒川温泉の堆肥事業「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」動画が”環境省環境経済課⾧賞”を受賞 | (kankokeizai.com)

身近な黒川温泉(熊本県阿蘇郡南小国町)で、彼が関わった「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」。

ここでの出会いが構想のヒントになったと言っても過言ではありません。


Fellow Act 開催

10月からは鴨志田さんの指導のもと、本格的に堆肥づくりがスタートします。

プロジェクトには、プロジェクト実装の場となる(株)御花の社員、起業家、観光事業者、障害福祉従事者、自治体職員などが参加予定で、徐々に共感の輪が広がりつつあります。

ちなみに、プロジェクトを通じた実践型フィールドワークを「Fellow Act」と呼んでいます。

★Fellow=仲間、共感者

★Act=社会貢献活動、創造


第二段階・畳フェーズについても徐々に情報公開していくのでお楽しみに!


プロジェクトの本質

過去の記事でも触れましたが、私は農夫でも環境活動家でもありません。

SAMURAI REBIRTHの活動として、アウトプットとしての畳や循環経済はあくまで手段であり、一連の営みに人々が関わることによって、それぞれに“文化財を自分事化”してもらうこと。

これが最大の狙いです。

義務教育や学部課程で教わることのない文化的生涯学習とでも言いましょうか。

そのあたりは上手く言語化できていませんが、「Learning by doing(やりながら学ぶ)」の精神で自己研鑽に努めてまいります。


ソーシャルグッド

あらためて個の力は微力だと感じています。

だからと言って、自分にできないこと、知り得ないことは無理に習得する必要はないとも思うのです。

他者のスキルやノウハウを共感の輪によって共鳴させるほうがずっと効果的で、その後の過程も指数関数的にシナジーを生み、アウトプットとしての意味が大きい・・・

予期せぬ方向へ進むかもしれませんが、そのリスクをしょって旅をする人生はロマンがあります。

リスクを好機と捉え、その先の明るい未来創造(社会性と経済性両立)を揺るぎない信念とし活動することもまた、ソーシャルグッドと言えるのではないでしょうか。


では。

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